【新人 ST の壁 #3】覚醒レベルが低い患者への声かけ開始タイミングは? 〜JCSで見る判断の軸〜

覚醒レベルが低い患者さんに、いつから声かけや訓練を始めてよいか悩んだことはありませんか?今回はJCS(Japan Coma Scale)を軸に、声かけ開始の“見極めポイント”を整理しました。

ホープくん

JCSでⅢ-200の患者さんに対して、いつから声かけを始めるべきでしょうか?反応がまったくなくて…

かに3

JCSⅢ群は「刺激しても覚醒しない」状態だから、言語的介入はまだ時期尚早かな。まずは観察を中心に。

ホープくん

では、JCSⅡ-30くらいになったら声かけを始めていいんでしょうか?

かに3

うん、Ⅱ群は「刺激すれば覚醒する」レベル。Ⅱ-30なら、呼名反応や開眼が見られるはずだから、短く優しい声かけから試してみるといいね。

ホープくん

それでも反応が薄かったら、どう判断しますか?

かに3

目を開ける、視線が合う、まばたき、指の動きなど、非言語的な反応を見逃さないことが大切だよ。

ホープくん

JCSがⅠ群に上がったタイミングで、本格的な言語評価を考えても大丈夫ですか?

かに3

そうだね。JCSⅠ群(覚醒状態)になったら、SLTAやWABの導入を検討していい。ただし、疲労や注意力の持続に注意しながらね。

ホープくん

ありがとうございます。JCSの群分類を活かして、段階的に介入していくようにします!

🔑 Key Point|要点整理

  • Why:JCSは日本で一般的に用いられる意識レベル評価法。覚醒段階を見極めることで、訓練タイミングや方法を適切に調整できる。
  • How(JCS別対応)
    • Ⅲ群(刺激に反応なし):訓練導入は見送り、観察と体位調整中心
    • Ⅱ群(刺激で覚醒):呼名反応・開眼が見られれば、短い声かけ・環境音刺激を開始
    • Ⅰ群(覚醒):声かけ+評価ツール(SLTA等)導入可能。注意持続に配慮
  • Tip:声かけは“相手が反応しはじめる最初のサイン”を逃さないためのアンテナ。反応が薄くても、継続観察が力になります。
ホープくん

あなたはどのJCSレベルから訓練や声かけを始めていますか? コメントでご意見・実践をシェアしてください!

📝 Memo|参考資料

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この記事を書いた人

言語聴覚士/公認心理師
病院、療育、就労支援での経験から、
『具体的に動くことで、具体的な反応が得られる』を心掛けて、 日々臨床に四苦八苦中。

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